日々の日記等
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チョコレートの溶けるなまめかしい艶、食べるときにつく歯形、銀紙を剥(む)く行為、あるいはチョコレートの配給状況、カカオを作る人々など切り口は多様だ。 ジャスパー・モリソンのチョコレート色の椅子(いす)に座り心地を確かめながら無言で深澤直人のコートヤードを凝視している若い男性もいれば、「これあるといいよねぇ」などと現実世界の尺度で切り取るおばさんたちも。チョコレート製を想定したアクセサリーに「溶けちゃうじゃーん」とはしゃぐ20歳前後の女子群もいて、反応も人それぞれ。 日常のデザインを意識させるものとして興味を引いたのは、広告制作会社サン・アドのアートディレクター、高井薫の作品。おそらく誰もがなじみがある明治製菓のアポロチョコレートにひねりを加え、板チョコ仕様にしてみたり、ロケットを作ってみたり。見方を変えると、普段見慣れたチョコレートの形の面白さに気が付かされる。 展示方法(これもインテリアデザイン)では、壁を区切って個室仕立てになっている部分が面白い。映像付きで物語を膨らませた植原亮輔+渡邊良重(D-BROS)、チョコレートを食べると虫歯になりそうな気持ちをインスタレーションで表現した北川一成(GRAPH)など、壁の裏、薄暗いところだけに、こっそりチョコレートを食べるときの後ろ暗い気持ちまで思い出した。 楽しめる展覧会だが、あえて辛口を言えば散漫な印象もあった。美術のように展示品が必ずしも鑑賞に堪えるとはいえないデザインの展覧会では、どうテーマを持つかが勝負だが、切り口も表現方法も多すぎる。 デザインをどう見せるかは、各国どこのデザインミュージアムでも課題。展覧会のディレクションを手掛けた深澤直人は、第1回の企画展だけにその課題に挑戦し、ひとくくりにはできない今の「デザイン」という言葉のとらえ方を見せる展覧会にしたかったのではないだろうか。もしそうだとしたら、会場の「ひとくくりにできない」反応を見る限り、成功しているといえるだろう。 PR |
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